「エキスパートPythonプログラミング」を翻訳しました
昨年の12月から翻訳していた、「エキスパートPythonプログラミング」(原題「Expert Python Programming」) という本が、5/31に発売になります。
エキスパートPythonプログラミング
著者:Tarek Ziade
販売元:アスキー・メディアワークス
発売日:2010-05-28
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まだAmazonには目次が載っていませんが、 http://dl.dropbox.com/u/284189/epp/index.html で翻訳中時点の目次を公開しています(出版されるものと若干違いがあります)。
キャッチコピーにもありますが、この本はPythonの入門書ではなく、 すでにある程度Pythonのプログラムを書ける人がこれから活躍していく上で必要な 知識を網羅的に習得するための本です。 コンテキストマネージャーやメタクラスなどの高度なイディオム、 パッケージングとデプロイ、テストドリブンプログラミングや開発プロセス、 有用なドキュメントの整備、最適化などなど、開発しているアプリケーションの ジャンルを問わない、全てのPythonプログラマに有用な知識を提供しています。
私は、12章(プロファイリング)、13章(最適化)、14章(デザインパターン)までの翻訳と、 追加章(Unicode)の執筆を行いました。 また、2章(クラス以下のレイヤのイディオム)、3章(クラスレイヤのイディオム)についても、 全コードをテストしたり、サンプルコードをPython 3に対応させたり、特に力を入れて査読しています。
もともと原著が非常に良い本なのですが、翻訳版では原著が出版されてから2年の間の変化に対応していることと、 翻訳者が翻訳だけでなく技術的な面の検証もていねいに行なって多くのミスを修正したので、 翻訳版は原著より良いものになっていると自信を持って言えます。
Pythonの世界で活躍されている方、これから活躍しようと思っておられる方は、 ぜひ読んでみてください。 また、この本にはPython以外の言語にも共通する基本的な考え方が多く書かれていますし、 この本で紹介されている Mercurial, Sphinx, Buildout, Buildbot などのツールは Python以外の言語のプロジェクトでも有用ですので、Pythonが第一言語で無い方にも おすすめします。
ところで、翻訳中に「もっと詳しく説明したい」、「他の手段も紹介したい」、など、 書きたかったものの本文の内容からそれるとか、ページ数を増やしてまで説明する事では 無いなどの理由で、泣く泣く削った文章もあります。 このまま捨ておくのももったいないので、再編集して、このBlogで紹介して行きたいと思います。 「エキスパートPythonプログラミング」を補完する記事としてお読みください。