Ant とテキストエディタではじめる Android
皆様、新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
さて、The Open Handset Alliance が発表した Android SDK ですが、既に Eclipse + Eclipse Plugin を使用してお試しになられた方もいらっしゃるかと思 います。
私は通常の開発業務で Eclipse を使っているのですが、plugin を入れすぎたせ いか動作が重いので、もっと軽い環境で開発できたらと思ってました。という 訳で Emacsと か vi などのテキストエディタを使って Android のアプリケーション を開発できる方法をご紹介します。
この方法を試した環境
今回ご紹介する方法は以下の環境で行いました。
- Mac OS X 10.5
- apache ant 1.7.0
- Android SDK (android_sdk_darwin_m3-rc22a)
- java 1.5.0_13 (Mac OS X 10.5付属)
- python 2.5.1 (Mac OS X 10.5付属)
- vi (お使いのテキストエディタでOK)
MacOS X使ってますが、Linuxをお使いの方はantやAndroid SDKのインストール 先やPATH環境変数が異なるくらいですので、そこを読み替えていただいてお試 しいただけるかと思います。
必要なツールのセットアップ
まずはともあれ、Androidを入手する必要があります。またantについても 未インストールの方はインストールしてしまいましょう。入手先は以下のとお りです。
- Android Documentation
- Apache Ant
これらを/Applications/以下にインストールしました。
# Androidのインストール先 /Applications/android_sdk_darwin_m3-rc22a # antのインストール先 /Applications/apache-ant-1.7.0
開発はMacOS X標準の「ターミナル」からbashを使用しますので、antや Android SDKのtoolsフォルダ以下へのパスを通します。.bash_profileファイ ルを編集して、PATH環境変数を設定します。
$ vi .bash_profile export ANT_HOME=/Applications/apache-ant-1.7.0 export PATH=${ANT_HOME}/bin:${PATH} export PATH=/Applications/android_sdk_darwin_m3-rc22a/tools:${PATH}
Hello Worldを作ろう
Android SDKにはコマンドラインからアプリケーションのひな形を作ってく れるツールactivityCreator.pyが付属していますので、これを使うと簡単です。
まずは、自分の作業フォルダ(例えば、/Users/username/Documents/)で以下を 行います。ここでは作業フォルダ以下にhelloフォルダを作って、 org.klab.Helloという名前で作りたいと思います。
$ activityCreator.py --out hello org.klab.Hello
これで作業フォルダ以下にhelloフォルダが作られて、build.xmlが自動的に作られましたのでantでビルドする環境が整いました。
では、早速ビルドしてみます。
$ cd hello $ ant (略) BUILD SUCCESSFUL Total time: 1 second
BUILD SUCCESSFULと表示されればビルド完了です。では、これをエミュレータ の上で動かしてみましょう。それにはまず、SDK付属のemulatorを起動します。
$ emulator &
antでビルドしたときに、hello/bin/フォルダ以下にHello.apkというファ イルができていますので、これをエミュレータへインストールします。
$ adb install hello/bin/Hello.apk 374 KB/s (4124 bytes in 0.010s)
これでインストール完了です。次はエミュレータの一番左のアイコン 「Applications」へ移動しましょう。
するとHelloアイコンがあります。これがインストールしたアプリケーショ ンですので、選択して起動してみましょう。
おお!動きました。
表示を日本語で
でも、自動生成されたアプリケーションを動かしただけではつまらないで すよね。そこで表示文言を変えてみたいと思います。Androidはjavaプログラ ムなのですが、文言やレイアウト定義はXMLファイルによってコード外部で行 われています。そこで、ここではレイアウト定義ファイルを編集します。
$ vi <作業フォルダ>/hello/res/layout/main.xml
以下のように修正しました。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?> <LinearLayout xmlns:android="http://schemas.android.com/apk/res/android" android:orientation="vertical" android:layout_width="fill_parent" android:layout_height="fill_parent" > <TextView android:layout_width="fill_parent" android:layout_height="wrap_content" android:text="Hello World, こんにちは" <!-- ここかえた --> /> </LinearLayout>
修正したあとは同じ手順でビルドとインストールを行うだけです。一度に やってしまいます。エミュレータを終了してしまった方は事前に起動してくだ さい。
$ cd <作業フォルダ>/hello $ ant ; adb install bin/Hello.apk
なお、最初の手順でアプリケーションを起動したままの方は、自動的に閉 じてしまいますので、再度Helloアイコンを選択して起動しましょう。
日本語も出ました!
さて、今回はAntとテキストエディタでAndroidの開発を行う方法をご紹介 しました。Eclipse使わないでAndroidでの開発を始めたいという皆様にご利用 いただけたらなぁと思っています。
私はまだAndroidでの開発を試してみた段階ですので、ここまでにしたいと 思いますが、近いうちに新しいことができたらこの場で紹介できたらなと思っ ています!