2008年01月07日

Ant とテキストエディタではじめる Android

はてなブックマークに登録

皆様、新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

さて、The Open Handset Alliance が発表した Android SDK ですが、既に Eclipse + Eclipse Plugin を使用してお試しになられた方もいらっしゃるかと思 います。

私は通常の開発業務で Eclipse を使っているのですが、plugin を入れすぎたせ いか動作が重いので、もっと軽い環境で開発できたらと思ってました。という 訳で Emacsと か vi などのテキストエディタを使って Android のアプリケーション を開発できる方法をご紹介します。

この方法を試した環境

今回ご紹介する方法は以下の環境で行いました。

  • Mac OS X 10.5
  • apache ant 1.7.0
  • Android SDK (android_sdk_darwin_m3-rc22a)
  • java 1.5.0_13 (Mac OS X 10.5付属)
  • python 2.5.1 (Mac OS X 10.5付属)
  • vi (お使いのテキストエディタでOK)

MacOS X使ってますが、Linuxをお使いの方はantやAndroid SDKのインストール 先やPATH環境変数が異なるくらいですので、そこを読み替えていただいてお試 しいただけるかと思います。

必要なツールのセットアップ

まずはともあれ、Androidを入手する必要があります。またantについても 未インストールの方はインストールしてしまいましょう。入手先は以下のとお りです。

これらを/Applications/以下にインストールしました。

# Androidのインストール先
/Applications/android_sdk_darwin_m3-rc22a
# antのインストール先
/Applications/apache-ant-1.7.0

開発はMacOS X標準の「ターミナル」からbashを使用しますので、antや Android SDKのtoolsフォルダ以下へのパスを通します。.bash_profileファイ ルを編集して、PATH環境変数を設定します。

$ vi .bash_profile
export ANT_HOME=/Applications/apache-ant-1.7.0
export PATH=${ANT_HOME}/bin:${PATH}
export PATH=/Applications/android_sdk_darwin_m3-rc22a/tools:${PATH}

Hello Worldを作ろう

Android SDKにはコマンドラインからアプリケーションのひな形を作ってく れるツールactivityCreator.pyが付属していますので、これを使うと簡単です。

まずは、自分の作業フォルダ(例えば、/Users/username/Documents/)で以下を 行います。ここでは作業フォルダ以下にhelloフォルダを作って、 org.klab.Helloという名前で作りたいと思います。

$ activityCreator.py --out hello org.klab.Hello

これで作業フォルダ以下にhelloフォルダが作られて、build.xmlが自動的に作られましたのでantでビルドする環境が整いました。

では、早速ビルドしてみます。

$ cd hello
$ ant
(略)
BUILD SUCCESSFUL
Total time: 1 second

BUILD SUCCESSFULと表示されればビルド完了です。では、これをエミュレータ の上で動かしてみましょう。それにはまず、SDK付属のemulatorを起動します。

$ emulator &
android1.png

antでビルドしたときに、hello/bin/フォルダ以下にHello.apkというファ イルができていますので、これをエミュレータへインストールします。

$ adb install hello/bin/Hello.apk
374 KB/s (4124 bytes in 0.010s)

これでインストール完了です。次はエミュレータの一番左のアイコン 「Applications」へ移動しましょう。

android2.png

するとHelloアイコンがあります。これがインストールしたアプリケーショ ンですので、選択して起動してみましょう。

android3.png

おお!動きました。

表示を日本語で

でも、自動生成されたアプリケーションを動かしただけではつまらないで すよね。そこで表示文言を変えてみたいと思います。Androidはjavaプログラ ムなのですが、文言やレイアウト定義はXMLファイルによってコード外部で行 われています。そこで、ここではレイアウト定義ファイルを編集します。

$ vi <作業フォルダ>/hello/res/layout/main.xml

以下のように修正しました。

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<LinearLayout xmlns:android="http://schemas.android.com/apk/res/android"
    android:orientation="vertical"
    android:layout_width="fill_parent"
    android:layout_height="fill_parent"
    >
<TextView
    android:layout_width="fill_parent"
    android:layout_height="wrap_content"
    android:text="Hello World, こんにちは" <!-- ここかえた -->
    />
</LinearLayout>

修正したあとは同じ手順でビルドとインストールを行うだけです。一度に やってしまいます。エミュレータを終了してしまった方は事前に起動してくだ さい。

$ cd <作業フォルダ>/hello
$ ant ; adb install bin/Hello.apk

なお、最初の手順でアプリケーションを起動したままの方は、自動的に閉 じてしまいますので、再度Helloアイコンを選択して起動しましょう。

android4.png

日本語も出ました!

さて、今回はAntとテキストエディタでAndroidの開発を行う方法をご紹介 しました。Eclipse使わないでAndroidでの開発を始めたいという皆様にご利用 いただけたらなぁと思っています。

私はまだAndroidでの開発を試してみた段階ですので、ここまでにしたいと 思いますが、近いうちに新しいことができたらこの場で紹介できたらなと思っ ています!

klab_gijutsu2 at 11:38│Comments(0)TrackBack(1)Android 

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. Nexus One の近接センサ/環境光センサは、どこにあるのか?調べてみた  [ 仙石浩明の日記 ]   2010年07月17日 08:55
Nexus One の近接センサはタッチパネルの左上にしかなく、タッチパネルの下方への接近は感知できないことが分かった。Android SDK において、Eclipse を使わずにアプリを開発する方法を説明しているページが少ないので、ビルド〜インストール方法も書いてみる。...

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
Blog内検索
Archives
このブログについて
DSASとは、KLab が構築し運用しているコンテンツサービス用のLinuxベースのインフラです。現在5ヶ所のデータセンタにて構築し、運用していますが、我々はDSASをより使いやすく、より安全に、そしてより省力で運用できることを目指して、日々改良に勤しんでいます。
このブログでは、そんな DSAS で使っている技術の紹介や、実験してみた結果の報告、トラブルに巻き込まれた時の経験談など、広く深く、色々な話題を織りまぜて紹介していきたいと思います。
最新コメント