KLab での在宅勤務のこと
私はいま山口県に住み、在宅勤務の形態で働いています。
KLab との縁ができたのは数年前の春でした。大阪での面接を経て内定を受けたまではよかったのですが、同じ時期に郷里の家族の健康状態に異変があり、考えた末に長年住み慣れた関西を離れる決心をしました。
KLab へお詫びと辞退の連絡を入れたところ「事情確認のために再度面談を」と言われ、電車の中で謝る練習をしながらその場へ赴き事情をひと通り説明した後に聞いたのは思いがけない打診でした。
「事情が許せば契約社員としてリモートで働いてみませんか?」
それからおよそ半年間の本社勤務を経て、郷里での遠隔勤務が始まりました。
# ちなみに、現在は遠隔勤務のまま正社員になりました
近年、在宅勤務という仕事の形は少しずつ世の中に広がり始めているようです。
今回は技術の話題ではなく、僭越ながら KLab での私の勤務のことなどあれこれお話ししたいと思います。
● はじめに用意したもの
・仕事場
仕事をするための場所を実家の隣町に借りました。この方が仕事に集中できますし、いざと言うときにはすぐに実家へ駆けつけることもできます。また、独身の身軽さも何かと好都合でした。
・ネットワーク回線 x 2
遠隔での勤務にとってネットワーク回線は命綱です。いざというときのために、ちょっと贅沢ですが二系統の回線を確保しました。(これには実際に何度か助けられました)
● 業務について
私の場合、KLab での業務はこれまでプロジェクトでのソフトウェア開発が中心でした。
もちろん、いずれのプロジェクトにおいてもメンバーとの協業が前提なわけですが、幸いなことに、KLab には業務に関する話題を極力テキストベースでやりとりすることによってその内容を「残す」文化が徹底しており、何より協業者各位の能力の高さに恵まれ、メーリングリストや Jabber, IRC 等のチャットシステムを利用することでほとんどの場合業務上の意思疎通に支障はありませんでした。
また、Skype の登場により通常の会議への音声参加が可能となったことも心強い変化でした。
● 在宅勤務のメリット
私にとっての在宅勤務の最大の利点は、上述の事情のため「郷里で仕事ができること」です。このおかげで私は安心して仕事ができます。
さらに、通勤の必要がないためその分の時間を活用できることにも恩恵を感じます。
● 在宅勤務の非メリット
様々な手段を利用することで意思疎通をはかることはできても、相手と同じ場に居ることにはかないません。私は長年普通の会社勤めをしてきましたが、仕事の話であってもそうでなくても、顔を合わせてごく普通に話をすることの意味の大きさをあらためて感じます。
また、私の場合は遠隔地にいますので、お客様をはじめ社外の方と直接会うことがなかなか難しいという悩ましい側面もあります。
● 注意していること
オフィスから離れた場所で仕事をするという形態は、組織全体との、また、業務上のパートナーとの信頼関係の上に成り立っています。
また、近席にいる人間とコミュニケーションをとるのに比べ、意思の伝達手段が限定される相手とやりとりをせざるを得ない状況は手間のかかることであり、それと同時に不安な要素の尽きないことは相手の立場になれば容易に想像できます。
そのため、私は日常業務において次のことに注意しています。
・具体的な成果を出すこと
・相手の意図を誤解しないこと
・常時連絡のとれる状態を維持すること
いずれも「あたりまえ」のことではありますが、はじめのふたつはリモートで仕事をする人間にとって特に重要な課題だと思います。
恥ずかしながら実際には思うようにいかないことも多々あります。まだまだ修行が足らないようですが、組織のお荷物にならないよう頑張っています。
● 余談ながら
遠隔での業務においてとりわけ印象的だったのは「VPNワープ」の開発プロジェクトでした。
このシステムの目的そのものがリモートから社内 LAN 等へのセキュアなアクセスを実現することにあるためより身近に感じられ、自分自身も大いに日常業務に活用することができました。
(検証の際などにはむしろ社外にいる方が都合が良いほど?でした)