CTOの独り言
このエントリーは、KLab Advent Calendar 2016 の12/25 の記事です。
最終日の担当はCTOの安井です。
今年のアドベントカレンダーもテーマが多岐に渡っていてとても興味深いです。
ゲームに関係ありそうなものから関係なさそうなものまで盛りだくさんですね。
KLabでは業務と直接関係のない開発活動も積極的に推奨しています。 これには、自分が得意とする分野、興味のある技術に対して全力で取り組んで欲しいという願いがあります。好きなことに全力で取り組んで結果を残すことができるエンジニアは、様々な場面において高いアウトプットを出してくれることが多いものです。
社内ではよく「市場価値の高いエンジニアを目指そう」という言い方をしています。 エンジニアが安心して仕事を続けるためには「自分の実力に自信を持てること」がとても重要なことだと考えています。いくら上司から高い評価を得ていても、いくら業績に貢献していても、社内のモノサシだけで評価されている限り、自分の実力が世の中で通用するのか、今の仕事を続けていてスキルアップできるのかなど、様々な不安にかられてしまうことがあるものです。
そのような不安を少しでも払拭できるように、社外のコミュニティに関わる事を推奨しています。勉強会などで登壇させてもらうのも良いですし、既存のOSSプロダクトにパッチを送ってみたり、自分でプロダクトを立ち上げるのも良いですね。今はブログやQiitaやgithubなどで気軽に技術情報を共有できたりボタン一発で作者にパッチを送ることができる時代ですので、既に多くの方は既に実践されているでしょうし、これから始める方にとってもハードルはかなり低くなっていると思います。
ただ、ゲーム開発を通して得られたノウハウや知見の中には、外部に公開できないものも少なからずあります。そのため、社内に閉じたコミュニティや勉強会も用意しており、誰でも自由に発表することができるようになっています。
KLabの社内勉強会は社内への情報共有も目的のひとつですが、社外へ公開する前のレビューとしての役割があったり、自分の活動を理解してもらうためのプレゼンの練習の舞台でもあったり、誰がどんな活動をしているのかを知ることができる場としても活用されています。
なにかしらの方法で自分の実力が世の中に評価される機会があれば、それは自信に繋がりますし、自分が何をしたいのか、どんな方向に進みたいのかの道筋が見えるきっかけになるかもしれません。その結果、現在の仕事が自分のためになっているのかを客観的かつ冷静に判断できるようにもなるでしょう。
エンジニアの皆さんには「自分はどこの会社でもやっていける」と思えるくらいの自信とプライドを持って欲しいです。そして「自分の力を会社に貸してやるか」くらいの気持ちで働いて欲しいと思っています。会社は「給料分だけ働いてくれればいい」とは決して思っていませんし、「給料分は働かなきゃいけない」と思いながら働いて欲しくもありません。自分の腕を磨き、価値を高め、実力に見合った報酬を受け取ることが、良い仕事をするための条件であり、年齢を重ねても技術者であり続けるために必要なことだと私は考えます。
と、ここまでなんだかんだで好き放題言ってみましたが、実際の現場で理想ばかり掲げているわけにはいかないものです。みんながみんな好きなことだけやってたら仕事は進みませんので・・・
会社が成長するには事業を継続して拡大させていく必要があるわけで、現在のKLabの主力事業はゲームです。ゲームの開発と運営を円滑に進めるには、多くの方々に様々な役割を担っていただかなければなりません。
プロジェクトにおいてエンジニアの役割やタスクを決定するのはマネージャです。
マネージャの役割はプロジェクトを円滑に進めることです。
プロジェクトを円滑に進めるには「できる事をできる人にお願いする」のが最も効率が良いものです。同じ事を同じ人にお願いする事で、スケジュールの遅延や予算超過などのリスクを低減させることができますし、品質の向上も期待できます。それになにより「できないかも?」という不安を抱えなくてよくなることが大きな魅力となります。
ただその反面、同じことの繰り返しは本人のモチベーションを下げてしまったり、ノウハウが一部のメンバに偏ってしまうなどの問題があるので、マネージャは「これまでの経験を活かした仕事」と「新しい仕事にチャレンジする機会」をバランス良く振り分ける事に頭を悩ませます。
社員の成長なくして会社は成長できないことはマネージャは十分に理解しています。 エンジニアに新しいことにチャレンジして欲しい場面では、マネージャはこれまでの成果や面談内容などをベースにして検討しますが、本人がどんな分野に興味があり、業務以外でどのような活動をしているのかを知る事で検討の幅は大きく広がります。先に書いたように、業務に縛られず、自由に自身の活動を社内外に公開することを推奨しているのは、このような狙いもあるからです。
もし「自分の時間なんて全然取れない!仕事してるだけで精一杯だ!」と感じている人がいたら是非アラートを上げて欲しいです。エンジニアのキャパシティを把握するのもマネージャの大事な仕事です。そのためには、多少の無理を承知の上でタスクを割り当てることもあります。自分のキャパを超える仕事が与えられた時には遠慮なく相談しましょう。そして自分のキャパを正しく理解してもらいましょう。できない事を「できない!」というのは恥でもなんでもありません。こっそりと自分の時間を潰してストレスを溜めるくらいなら、仕事の量を調整してもらえるように交渉することもエンジニアの大事な役割です。
つらつらと取り留めのない内容になってしまいましたが、普段社内で喋っていることを文章にしてみました。何度も聞かされてる人にとっては耳タコかもしれませんが、普段交流できていない方々も結構いますので(ごめんなさい)、KLabのCTOはこんなこと考えてるんだよぉってのを少しでも知って頂ければありがたいかなと思います。